一級建築士試験の大変さ

この記事の目的

一級建築士試験は難易度も高く本人の頑張りだけでは難しい面もあります。

一方で試験の難しさというのは経験者しか理解できないものでもあります。

一級建築士試験というのは勉強のために、どれだけプライベート時間を削れるかの戦いでもあります。

私の周りでも勉強期間中、本当は勉強に集中したいが、休日のほとんど全てを勉強に捧げるというのを

家族やパートナーに理解してもらうのに苦労したという方もいました。

そこで今回の記事では、周りの方々に「一級建築士試験の大変さ」を

理解してもらうことを目的に試験がどれだけ大変かということに焦点を当てました。

勉強時間

実務での経験など個人差はありますが、一般的に学科試験で500時間、

製図試験で200時間といわれています。

勉強期間を学科は6ヶ月間、製図は2ヶ月とした場合、1日約3時間の勉強時間の確保が求められます。

ただし、上記はストレート合格(同じ年に学科・製図を合格すること)ができた場合の話であり、

学科は合格したが、製図は合格できなかったとなると、

次の試験に向けて製図のみ更に200~400時間勉強する必要があるかと思います。

年々難しくなっている

一級建築士試験は年々難しくなっています。

資格取得の専門学校が対策し受験生のレベルが上がり、

学科試験は重箱の隅をつつくような問題も増えています。

また、製図試験においては、2018年から課題文がA3サイズからA2サイズへと変更になりました。

新聞紙1枚のサイズに課題文が書いてあることを想像すると大変さが実感できるかと思います。

私は2019年に学科合格、製図不合格で2020年に製図試験に合格しましたが、

その1年間だけでもA2サイズの課題文の余白が少なくなり、年々難しくなっていることを実感しました。

少しのミスが命取り

ミスをすると、点数を落としてしまうのは、どんな試験も同じですが、

一級建築士の製図試験は特殊な試験で課題文の読み取りミスなどで場合によっては、

1つのミスだけで不合格となる試験になっています。

これは医師国家試験の禁忌肢(患者の生死等に関わる明らかに誤った選択肢)の制度に似ています。

一生懸命勉強しても1つのミスで落ちてしまう恐ろしい試験なのです。

私が合格した年も同じ担当講師の8名の受験生のうち2名が落ちてしまったのですが、

落ちた2名の内1名は授業ではいつも合格圏の図面を描いていました。

おそらくは、本番で何らかのミスをしたのだと思います。

資金面

10年以上前までの試験では独学で合格したなんて話も聞いたこともありますが、

最近では一部の優秀な人を除き、独学での合格は極めて難しくなっています。

そのため、資格の専門学校(総合資格や日建学院等)に通うのが主流です。

費用は学校によりますが、高いところでは学科・製図合わせたコースが100万円を超えます。

私も1年目は学科・製図コースで約90万円、

2年目は製図長期コースで約110万円を使いました。

独身なので、自分のことだけを考えて学校選びが出来ましたが、家族がいる方は

学校選びもなかなか悩みどころですね。

費用の問題は、家族の理解・協力も必要ですが、人生設計にも影響する問題になります。

プライベート時間(経験談)

 経験談も交えて、プライベート時間をどれだけ試験に捧げたのかを共有します。

私は総合資格学院に通っていました。

学科

1年目の学科の勉強は、3月頃から毎週日曜日の9時から16時頃まで講義がありました。

学科の勉強期間は日曜日は学校、土曜日は家で勉強することが多かったです。

また、平日仕事が終わったあとも基本的には家で勉強をしていました。

様々な事情で家で勉強ができないという方は、学校やカフェで勉強、

または、レンタルスペースを契約するという方法もあります。

3月から徐々にペースを上げて5月のゴールデンウィークからは

空き時間の多くを勉強に捧げる毎日を送りました。

結果的に学科は113点で合格できました(2019年の合格ラインは97点)。

製図

次に製図についてですが、個人的には難易度が非常に高く大変苦労しました。

1年目は7月下旬の学科が終わったあとの自己採点で合格ラインを超えていたので、

10月の製図試験に向けた勉強をすぐに始めました。

約2ヶ月半しかないため、資格学校も詰め込みで勉強させてきます。

講義は毎週日曜日、9時から18時頃まで、

その後大半の受講生が自習で21時頃まで残っていました。

そして、宿題もたくさん出たので、平日の夜と土曜日でなんとか終わらせる日々。

空き時間の全てを勉強に捧げて過ごしましたが、残念ながら不合格。

2年目は総合資格で製図の長期コースに通いました。

3月頃から始まる予定でしたが、コロナ禍で最初の数週は

資料だけ渡されて任意参加だったり、

いろいろありつつも5月には本格的に講義が始まりました。

約半年間日曜日は9時から18時まで講義、

土曜日は8時から16時まで自習、平日夜もできるだけ勉強

という生活を送り、なんとか合格することができました。

このような生活を送れたのも当時の上司が

仕事を調整してくれたおかげだと感謝しています。

まとめ

一級建築士試験の大変さをまとめました。

金銭的にも、時間的にもとても大変な試験で

周りの人の協力は必要不可欠だと考えています。

あなたの周りに本気で一級建築士試験を受ける人がいたら、

ぜひ協力していただけると幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございます。

こちらのブログでは、一級建築士、宅地建物取引士、F1、車、旅行に関することを中心に

役立つ情報をまとめていきます。今後ともよろしくお願いいたします。