一級建築士の世間のイメージは?
一級建築士の世間的なイメージを調べてみると
「なんとなく凄い」「年収高そう」「特に何のイメージもない」
という感じで難易度の割に社会的認知度が低い資格だと感じました。
これはおそらく普段の生活の中で一般の人が関わる職種ではないので、
具体的なイメージがないのだと考えられます。
こればかりは他の資格も同じかもしれませんね。
何とか社会的な地位を向上させて待遇改善を図りたいものです。
年収は?
「建築士 年収」で調べてみると、一級建築士の平均年収は
600〜700万円とのことで全体平均の年収よりは高いです。
多くの業界で同じことが言えますが、独立開業して上手くいけば
年収数千万も夢じゃないです。
しかし、雇われの身だとなかなか年収は伸びないようです。
建築家とは
建築家は資格はないけど知識やセンスがあり、デザイン監修などをする人と
イメージする人もいるかもしれません。
確かにそういった定義で使われることもあります。
実は「登録建築家」という資格があります。
「日本建築家協会」が主宰する民間資格で制度で「登録建築家」という制度があります。
「登録建築家」になるには一級建築士として一定の実務経験が必要です。
調べてみると「建築家」とはなんとも曖昧な意味であることが分かりました。
独占業務の形骸化
一定の規模以上の建築物は建築士でなければ、設計・工事監理を
してはいけないという法律が建築士法に定められています。
しかし、多くの会社ではその会社で設計する建物の全てを設計部の長である部長や
支店の長である支店長の建築士免許で申請し「設計者」「工事監理者」に
記載をしています。
年間100棟建てようと全て同じ設計者で申請し、
実際には無資格の人が実務をこなしている実情があります。
建設業界では当然という感覚になっていますが、例えば不動産業界では、
不動産の売買や仲介をする従業員の5人に1人は宅地建物取引士の
有資格者でなければならないといった人数制限を設けて質の担保をしています。
建設業界も同じように〇人に1人は有資格者という制度を作れば、
有資格者の待遇改善が実現できるのではないかと私は考えています。
2024年から残業規制が始まったものの・・・
建設業でも2024年度から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用され始めました。
筆者は中規模の建設会社の設計部に勤めていますが、人員を増やしたり、
忙しい職種をサポートする部署を立ち上げたりしてなんとか規制ギリギリといった状況です。
規制ギリギリでクリアできているなら、問題ないだろう
という上層部の意識改革がなされない限り、状況は変わらなさそうです。
建設業の3K(きつい・汚い・危険)のイメージはまだまだ払拭されていないように感じます。
職人の高齢化と人手不足
国交所が建設業界のリブランディングのため新3K(給与・休暇・希望)というものを
掲げて若手労働者不足を改善しようと取り組んでいます。
筆者も現場に行きますが、職人に若い方はかなり少ないです。
たまに若い方がいても大抵は外国人の方です。
現状はまだまだ世の中のイメージに近い職種なので、人手不足解消は難しいでしょう。
実際のところ
今後もしばらくは、流れは変わらないでしょう。
なぜなら、日本の人口は減り続けるからです。
働き手はどんどん減っていきます。
それと同時に建築、建設の需要も減るはずですが、国の主導で再開発が積極的に進められていくので、
おそらく人手不足の方が早く進むと思います。
また、仕事が減ると仕事の奪い合いが発生し、
「うちはもっと安く早くできます!」といった無理な工期短縮、
コスト削減が行われ、働き手の待遇が悪化するので、状況は変わらないでしょう。
変えられるとしたら、工期やコストの部分に無理がないのかを審査するような機関が必要ですが、
企業の競争力を奪うデメリットがあるため、慎重に進める必要があると思います。
具体的な方策
建築士の社会的地位向上のための具体的な方策としては以下が考えられます。
1、適正な価格設定
例えば不動産業界では取引に対する報酬額の算出が明確で
最大でもこの額というのが決められています。
質の高い仕事でも低い仕事でも同じ報酬だと不公平に見えますが、
質の高い仕事をするとリピーターや口コミで
次の仕事につながるので公平性は失われていないと思います。
建設業界でも基準を設けて工期や金額を決めるべきなのかもしれません。
2、AIを使った働き方改革
簡単な作業をAIに任せて、創造力が必要な作業を
人間が行うのがAIの活用方法だと考えている方も多いですが、
実は創造力が必要な作業こそ生成AIに任せてみるのがオススメです。
今まで時間を掛けていたデザイン業務などの
最初のキッカケを生成AIに作ってもらい人間が仕上げるというのが理想的だと思います。
建設業界のAIの利用は発展途上であり、今後活用の幅が広がることが期待されています。
3、ブランド力を高める
一級建築士のブランド力を高めることも重要だと考えます。
様々な業界でSNSを使った活動により仕事の魅力を発信しています。
最近では、一級建築士のYouTuberやインフルエンサーも増えてきているように感じます。
まとめ
いずれにしても、国が主導しルール作りをしなければ解決しない事柄が
多数あるため、一日も早く対策に乗り出して欲しいものです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
こちらのブログでは、一級建築士、F1、車、旅行に関することを中心に
役立つ情報をまとめていきます。今後ともよろしくお願いいたします。